gallu's diary

「弟子向けの口伝」を書いていこうと思います。full openな場所で恐縮ではありますが、基本「ある程度スタンスその他を踏まえている弟子向け」の文章を想定してみたいと思いますので、その辺のスタンスをわきまえられない方には、あまりお勧めできない文章になるかと思いますので、ご了承ください。

マッチョ系 息の抜き方

長くなりそうなんで先に結論を書くと「自分で頭からケツまで全権握れる、個人プロジェクト作ろうぜ」って話なんですがね。

さて。
お仕事をやっていると、色々とストレスとかストレスとかストレスとか、溜まる瞬間というものは多々あるものでございます。

具体的には。
「自分的に是」と思うものが全く通らず、一方で「自分的に明らかに非」なものが通る瞬間とか、オーバレッドレベルのストレスがマッハで溜まります。
ここで「ストレスが溜まること」自体は、個人的にはよいのではないか、と思います。
っつかそこで「全くストレスが溜まらない」ような程度の入れ込みでは、正直、没頭度合いが甘いとしか以下略。
ここで「本当はストレスを感じているのに斜に構えてる」とかいうのは文学的には格好良いのですが現実にはあんまり旨みがないので。
対外アピールについては知りませんが、自分自身にくらいは素直になりましょう。

ただ…じゃぁそのストレスを前提に、声高に改善を叫ぶのが是かというと、これがまた難しいものがございます。

自分にとっては「簡単な技術」であっても、もしかすると、他の人には「難しい」技術かもしれません。
勿論「そこで学んで成長だろ」というのは極めて正論なのですが。時間が無い、締め切りが間近である、状況が許さない、興味が無い、そも腰掛けのお仕事なのでそこまでは…など、様々な反論が予見されます。
「学ぶ」というのは大変に重要ですし真っ当に考えると「あって当然」レベルではあるのですが。
世の中には「愚行権」なるものが存在いたしますので、自己責任の範囲内において「彼らが学ばず、愚行を繰り返す」権利というものは、尊重されて然るべきものでございます。

勿論、学ばずに愚かな設計をし、見るも無惨な実装をすることは「自己責任」の範囲を超える事が多いのですが…もうちょっと端的に申し上げますと「てめぇのケツをなんで俺がふかなきゃなんねぇんだよちったぁ物考えろこのスカポンタン」とか思わなくも無いわけなのですが。
ただ一方で「そういった尻ぬぐいがあるからこそお仕事が発生し、お金になり、おまんまが食えている」状況、というものもございます。
勿論それだけではございませんが、彼らが「そのうち捨てられる」一方で自分が「それなりに継続しておまんまが食える」状況を考えると、むろんストレスはあるにせよ、必ずしも「完全殲滅対象なのか?」と問われた時に、多少、微妙な趣が無いわけでもございません*1

またもうちょっと穿った見方をしますと。
恐らくそういったストレスが発生する状況は「自分より立場が上の人間、もうちょいとぶっちゃけると権限を握っている人間が、愚行を繰り返している」可能性、が、十分に予見されます。
自分より立場が下の人間の愚行であれば、調教なり矯正なり馘首なりなんなり、どうとでも対応可能なので。

一つ目に。
彼らの「愚行に見える」行動が、実は「自分の認識出来ない領域での、賢明なる或いはやむを得ない判断の結果」である可能性、が、否定はできません。
なにせ「認識出来ない領域」なので、否定のしようがありません。

さらに。
彼らが「愚行」をやっていると仮定して。恐らく今関わっているプロジェクトは、その愚行をやっている「彼」のものです。
或いは、全権を握っている人が「彼を選択して握らせている」わけです。
だとすると、もしかしたら彼らは何か深い意図があって、彼に全権を任せている訳ですきっと。可能性としては「このプロジェクトは失敗する必要がある」可能性すら、可能性としては否定出来ないわけです。
ほら所謂「高度に政治的な判断」とか以下略。
だとすると。貴方の懐が痛まない限りにおいて、彼らの「失敗したい」というニーズを、正論ごときを振り回して潰すのが果たして本当に正しいのか? というあたりに、大きな疑問が残る訳です。

この辺りを総合して考えますと。
一度は「質問という形で」提案なり提言なりをしておいたほうがよいとは思うのですが。
幾度か繰り返して「明らかに改善の見込みが無い」場合は、開発のスタンスをディフェンシブにしたうえで*2、一定の距離感を保ちつつ、生暖かく見守って差し上げるのが「大人の対応」ってなところかと存じます。

…ただまぁ、ンなことやってると。
心の中の「真っ当な部分」が悲鳴を上げるわけですね。

じゃぁどうするのかっていうと「自分でサービス作ろうよ」って話になります。

BtoCの重要性はまた別の記事としてそのうち書きますが。
エンジニアの最大有利なポイントの一つは「自分でコードが書ける」ので、つまりは「自分一人でサービスが作れる」事、です。
企画なんて思いつけばいいわけですし、練ればいいわけです。勿論「企画を思いついて練る」ってのは本来的には結構高度なスキルですが、じゃぁ企画屋とかいう方々の何割がちゃんと高度な学習と鍛錬の元にやってるかといえば以下略。
デザインについては。自分でやるもよし、他人に依頼するもよし。おいちゃんは「デザインはしない」とかいう潔い姿勢を貫いてみたりとかゲフンガフン。いやまぁ余裕が出来たらどこかに依頼したいんですがねぇ。えぇ。

そうやって考えると。
「自分の時間」さえ投資すれば、サービスが作れる訳で。
で、自分で作るサービスなら、心の赴くままに「自分の納得のいく」ものを揃えることができるわけなんですね。

で。
実際「心の赴くままに自らの要求するレベルのクォリティで揃えてみる」のは、どんな意味合いにしても、とてもよい学びになるので。
「よい品質に対する再確認」から「追究しすぎると完成しないよねぇ」って気付きまで、色々と。

その辺を考えますと。
心の健康込みで「自らのプロダクトを作る」っていうのを「息抜きにする」ってのは、割合とありだと思うのですよ。

えぇ大分マッチョな方向性ですがね。
いいじゃんマッチョで。他人に迷惑をかけない範囲でなら、特に「本当にもうどうしようもないとき」って、マッチョ力が突破力になるんだし(笑

*1:自分が発注側でしたら、可及的速やかに完全殲滅対象といたしまするところではございますが

*2:ディフェンシブな開発、については、そのうち別稿にて言及予定